2019年1月27日(日)午前10時。
第39回館山若潮マラソン大会。
小雨が降りしきる中、
帽子やゼッケンに水色のステッカーをつけたランナーたち。
気温わずか4度の寒空にもかかわらず、
スタート地点は異様な熱気に包まれていました。
「頑張ろう、館山!」
「ありがとう、館山!」
「エイエイオー!」
と拳を突き上げてスタートするマラソン大会は、
初めての経験です。
前年の2018年秋の大型台風の影響で、
まだ屋根にブルーシートがかかっている家もたくさんある千葉県館山市。
そんな状況にもかかわらず、マラソン大会を開催してくれる館山に、
「感謝の気持ちを伝えたい」ということで立ち上がってくださったのが、
NHKランニング情報番組「ラン×スマ」で有名な金哲彦さん。
小出監督の下で有森裕子さんなどのオリンピック選手をご指導なさったことでも有名です。
大会前日、館山商工会議所で行われた「マラソンクリニック」という講習会。
金哲彦さん自らの指導がたった500円で2時間も受けられるということで、
毎年非常に申し込みが殺到する人気のクリニック。
私も何度も何度も落選し、ついに初めて参加する機会を得ました。
オリンピック選手を育てた日本でも有数のマラソン指導者、金哲彦さん。
こんな機会は二度とありません。
12時半開場の30分前から会場に乗り込み、
当日は前列の真ん前に体育座りをして、クリニックの開始を待ちました。
高倍率をくぐり抜け集まった150人のランナーたち。
体つき、脚を見るとどのぐらいの走力があるか、歴然です。
このクリニックで配られたのが、写真の水色のステッカーです。
数ヶ月前の台風上陸の影響で、まだ屋根にブルーシートがかかっている家も多い中、
開催してくれるマラソン大会。
走ることで館山を応援することはできないだろうか。
金哲彦さんが考案してくださったのがこのステッカー。
帽子やゼッケンにつけて走ることで、
館山に感謝の思いを伝えよう、応援する気持ちを伝えよう。
4000枚も自費で作成し、
ランナーたちに前日と当日配布してくださいました。
小雨が降りしきる中での、アップダウンが多いタフなコース。
初めて4時間の壁を越え、3時間台でゴールできた時、
私は自分の嗚咽で息が苦しくなり、
呼吸ができないほど号泣してのゴールでした。
今思い出しても胸が熱くなります。
自分のためではなく、誰かのために走る時。
ずっと越えられなかった4時間の壁を
ついに超えることができました。
半袖短パンの、小雨降りしきる気温4度のスタート地点。
「がんばろう館山!ありがとう館山!」の掛け声がスタート地点に響きました。
館山を応援するにはどうしたら良いか、
走らせてくれることへの感謝の思いを伝えるにはどうしたらいいか。
ランナー全員の感謝の架け橋が架かりました。